プラセンタ療法
Placenta
整形外科におけるプラセンタ療法について
プラセンタ療法は、美容分野でのイメージが強いですが、整形外科においても注目されている治療法の一つです。
プラセンタとは
プラセンタとは、胎盤のことです。胎児と母体を繋ぎ、栄養や酸素を供給する役割を担っています。プラセンタには、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、成長因子など、様々な栄養素が豊富に含まれており、組織修復や再生を促進する効果や抗炎症作用を発揮したりすると考えられています。
プラセンタエキスには、以下の様な作用が期待されています。
・成長因子の働き: 細胞の増殖を促し、組織の再生を促進します。
・抗炎症作用: 炎症反応を抑え、痛みを軽減します。
・抗酸化作用: 活性酸素による細胞のダメージを抑制します。
プラセンタ療法とは
胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスの有効成分を注射、内服などにより治療に用いる療法の総称を『プラセンタ療法』といいます。
新陳代謝を促進、自律神経やホルモンのバランス調整、免疫・抵抗力を高める等、様々な病理作用をもっています。

整形外科におけるプラセンタ治療の目的
整形外科におけるプラセンタ治療の目的は、主に以下の通りです。
- 関節炎の改善: 関節炎による痛みや炎症を軽減し、関節機能の回復を促します。
- 骨折の治癒促進: 骨折の治癒を早め、骨の強度を回復させます。
- スポーツ障害の回復: スポーツによる筋肉や腱の損傷の回復を促進します。
- 変形性関節症の進行抑制: 関節軟骨の損傷を抑制し、変形性関節症の進行を遅らせる効果が期待されています。
その他の様々な作用
- ●体調改善作用:疲れがたまっている方には、体調改善の作用も期待できます。
- ●ホルモンの調整作用:乱れたホルモンバランスを整える働きがあります。
- ●免疫力強化:病気に対する抵抗力を強めます。
- ●基磯代謝向上作用:新陳代謝の活性化で細胞・臓器の活動力を高めます。
診療科目別のプラセンタ療法の効果
内科 | 慢性疲労症候群,胃弱,胃炎,胃潰瘍,食欲不振,片頭痛,高血圧症,C型慢性肝炎,アルコール性肝炎,肝硬変,気管支喘息,食道静脈癌,心室性期外収縮,発作性心房細動,ブルガダ症候群 |
整形外科 | 肩こり,五十肩,肩関節周囲炎,腰痛症,腰椎椎間板ヘルニア,腰椎すべり症,脊柱管狭窄症,座骨神経痛,変形性膝関節症,変形性股関節症,線維筋痛症,帯状疱疹後神経痛,関節リウマチ,骨粗鬆症,脊椎圧迫骨折 |
婦人科 | 更年期障害,生理痛,月経前症候群(PMS),生理不順,無月経,冷え性,子宮筋腫,乳汁分泌不全 |
皮膚科 | アトピ一性皮膚炎,じん麻疹,日光過敏症,湿疹,肌荒れ,にきび痕,そばかす,シミ,乾燥肌,薄毛,褥瘡,肝斑,白斑 |
心療内科 | 自律神経失調症,うつ病(うつ症状),不眠症,気分変調症,自閉症,引きこもり,不安障害,統合失調感情障害,アルツハイマー型認知症 |
耳鼻咽喉科 | 花粉症,アレルギー性鼻炎,耳鳴り,めまい,難聴,嗅覚障害,メ二工ール症候群 |
歯科口腔科 | 歯周病,歯肉炎,歯槽膿漏,顎関節症,金属アレルギ一,口腔乾燥症,歯科心身症,抜歯・インプラン卜手術後の治癒促進 |
その他 | 前立腺肥大,三叉神経痛,パーキンソン症候群,肥満,眼精疲労,視力低下(軽度遠視・近視),緑内障,角膜炎 |
プラセンタの副作用と安全性
副作用について
プラセンタ療法では、プラセンタ注射部位に痛みや腫れ、かゆみなどが一時的に出現することがあります。
また稀に頭痛などの症状が見られることもあります。そのほか注射後に気になる症状が現れた場合、速やかに担当医師までご相談ください。
また
安全性について
プラセンタ製剤の安全性については国内の、感染のない健康なヒト胎盤を原料とし、多種アミノ酸を含有しています。ホルモン、たんぱく質は含有しておりません。
酸で加水分解し、最終滅菌(121℃/30分間)するなど、感染症に対する安全対策を講じていますが、理論的に未知のウイルス等の危険を完全に排除することは困難です。 なお、これまで、細菌やウイルス等による感染の報告はありません。